他の人が撮った写真を保存したとき、自分のカメラロールに入った写真を確認し直したときに画像が粗くなって困った経験はありませんか?
最近はスマホの撮影画質が格段に良くなっているので、画質低下が気になってきたという方も多いと思います。撮った写真はできるだけ鮮明な状態で保存しておきたいですよね。
画質を落とさず保存するには画像ファイルの特徴を把握し、いくつかの注意点を踏まえてデータを取り扱う必要があります。本記事ではスマホの写真を高画質のまま保存・送信するためのポイントを分かりやすくご紹介します。
【目次】
加工はなるべくしない
SNSへのアップロードは画質が落ちる
データ共有機能を使う
圧縮なしのクラウドサービスを使う
USB経由でPCに保存
ハードディスクに保存
ブルーレイディスクに保存
4.画質を落とさず写真を保存・送信するときにおすすめのサービス5選
LINE(「オリジナル画質」機能)
Googleフォト
Amazonフォト
おもいでばこ
オモイデホゾン
1.なぜ写真の画質が落ちてしまうのか
スマホで撮影した写真は「JPEG」という画像ファイルで保存されるのが一般的です。
写真データはそのままだとサイズが大きいため、保存・アップロードするときは「圧縮」と呼ばれる処理を施してファイルのサイズを小さくするのが一般的です。JPEGは「非可逆圧縮」と呼ばれるタイプのファイルで、圧縮時にサイズを小さくできる代わりに画質・色調が劣化していくという特徴があります。
そのため、JPEGの画像は保存時に「圧縮」が起こるたびに画質が落ちていきます。数回の圧縮では大きな違いは見られませんが、画質を維持したまま何度も保存するには向いていないファイル形式だと言えるでしょう。
2.画質を落とさず保存するための注意点
JPEG形式の写真データを保存するときは、画質を落とさないためにいくつか注意すべきポイントがあります。
加工はなるべくしない
デフォルトの写真アプリや加工用のアプリ、PCならペイントアプリ等で色味や写真の雰囲気を調整する方も多いかと思います。しかしJPEGはファイルの性質上データを上書き保存するとデータが圧縮されて画質の劣化が起こってしまうため、画質を維持したい場合には向きません。
数回の保存であればそこまで気になることはないかもしれませんが、画質を保ちたい方は加工せずそのままの状態で保存することをおすすめします。
SNSへのアップロードは画質が落ちる
たまに大切な写真をSNSに投稿して思い出アルバム代わりに使っている方がいますが、画質という視点では推奨されません。
InstagramやXなどの主要SNSはアップロード時大幅にファイルを圧縮するため画質がかなり劣化するうえ、何らかの要因でデータが突然消えてしまうリスクがあるためです。
家族や友人と写真を共有するとき、自分の写真を大切に保管しておきたいときはSNS以外の場所にもバックアップを取っておきましょう。
3.画質を落とさず写真を保存・送信する方法
画質を落とさず保存・送信するには、圧縮しないやり方でスマホから直接他の端末や機器にデータを移行させるのが確実です。
データ共有機能を使う
スマホ同士で写真を送り合いたいときはスマホに標準搭載されているデータ共有機能を使うと良いでしょう。iPhoneなら「airdrop」、アンドロイドなら「ニアバイシェア」と呼ばれる機能がついており、どちらも圧縮せず写真や動画などのデータを送信することができます。
Wi-Fi、Bluetoothを利用して近くにいる人とデータを共有したい場合はこの機能が最適ですが、airdropとニアバイシェアは互換性がありません。同じ機能が搭載されている端末を使っている人と共有するときに最適な方法だと言えるでしょう。
圧縮なしのクラウドサービスを使う
オンライン上に写真データをアップロードして保存するクラウドサービスは手軽にデータを保存・共有できるのがメリットですが、サービスによってはデフォルトの設定だと画質が落ちてしまう点には注意が必要です。
主要なサービスは保存画質を選択できるようになっているため、圧縮されない設定にしておくことをおすすめします。
なお圧縮なしの場合はファイルのデータサイズが大きくなるため、無料版だとすぐに容量オーバーになってしまうことがほとんどです。画質が気になる方は有料サービスを検討した方が良いでしょう。
USB経由でPCに保存
写真を長期保存したい場合、スマホの容量を節約したい場合はPCに写真データを移行させる人も多いでしょう。
スマホからPCに写真を保存するときは、直接USBケーブルにつなぐのがおすすめです。USBを経由して直接保存する分には圧縮する必要がないため、画質を落とさずに保存することが可能になります。
セキュリティ面でも安全性が高く、大量の写真や動画をすばやく送信できます。
ハードディスクに保存
長期保存用なら、スマホから直接・もしくはPC経由でハードディスクに保存するのがおすすめです。直接ケーブルをつなげば画質が落ちる心配はなく、PCやスマホのデータが消えた場合にも備えることができます。
ハードディスクは寿命が数年である点には注意しましょう。
ブルーレイディスクに保存
ハードディスクと同じく画質を落とさず非圧縮の状態で写真データを保存しておくことができる。
高品質なブルーレイディスクは長寿命なものもあるため、ほとんど交換する必要がない点がメリットです。
4.画質を落とさず写真を保存・送信するときにおすすめのサービス5選
オンラインで写真を保存・送信する際は画像が圧縮されてしまうことが多いのですが、一部のサービスを使えば高画質のまま写真を移行できます。
しかしオンラインのサービスはセキュリティ上の問題やサービス終了のリスクもあるため、サービス選びが重要です。今回は編集部おすすめのサービスを5つご紹介します。
※サービス情報・料金設定などは2024年調査時点のものです。
LINE(「オリジナル画質」機能)
「LINEで送ってもらった写真を保存しようとしたら画質が落ちていた」という経験をしたことがある方は多いかと思いますが、実はLINEには圧縮前のオリジナル画質で写真を送受信する機能があります。
ただしこの機能はトーク画面から1枚ずつ送るときにしか使えないため、まとめて送りたい場合には不便です。
アルバムからまとめてオリジナル画質の写真を保存したい場合、送信側が「LYPプレミアム」という有料会員になる必要があります。頻繁にLINEで高画質の写真を送るという方は有料サービスを検討すると良いでしょう。
Googleフォト
Googleが運用しているオンラインのクラウドサービス。フォルダを作成すれば誰とでも簡単にデータを共有できるのがメリットです。通常の設定で保存すると画質が少し落ちますが、オプションから圧縮を行わない設定にすることも可能です。
無料版は15GBまでの保存に限られるため、高画質の写真を保存する場合は有料プラン(2TB月額1,300円)を契約するのがおすすめです。
Amazonフォト
AmazonフォトはAmazonプライム会員なら基本追加料金なしで利用できるクラウドサービスです。既に映画やオンラインショッピングなどが目的でプライム会員に加入している方は実質無料でお得に使うことができるので、ぜひ使っておきましょう。
プライム会員の方であれば写真は画質を落とさず無制限に保存できるのがメリットですが、5GB以上の動画保存には別途料金がかかるため注意が必要です。写真データのみ高品質で保存したい人に最適なサービスでしょう。
おもいでばこ
テレビに接続するだけで写真・動画を簡単に保存できる大容量ハードディスクを搭載した最新家電です。
スマホで撮った写真をオンライン上で送信できるだけでなく、カメラで撮影した高画質の写真・動画もSDカードを挿入するだけで楽に取り込みできるのがメリットです。「写真をいちいち取り込むのが面倒」という方にはぴったりなサービスでしょう。
オモイデホゾン
オモイデホゾンは推定寿命が100年以上のブルーレイディスクに記録、郵送してくれるサービスです。
ブルーレイディスクへのデータ移行は自分でディスクを購入後PCからデータを書き込む作業が生じますが、オモイデホゾンではその面倒な手間を省くことができます。スマホ・PCからデータをアップロードするだけなので、「安全に高画質な写真を保存したいけれど手間はかけたくない」という方におすすめです。
5.まとめ
スマホで撮影した写真はJPEGで保存されることが多いため、画質を落とさず保存するには「圧縮」せずにデータを移行させる必要があります。
特にいつまでも鮮明な状態でとっておきたい写真はハードディスクやブルーレイディスク等を利用して安全に保存しておくことをおすすめします。