フィルムや紙焼き写真のころは「色味を如何に残すか」がテーマでしたが、デジタルが主流になった今は、「写真データを守れるバックアップ」がカメラマンの課題です。
現物のないデジタルデータは、ウイルス感染や記録媒体の故障ですべて消えてしまったというケースも珍しくありません。そのような事態を防ぐには、どのようにバックアップをとるのが正解なのでしょうか?
今回は、写真データを守るための正しいバックアップ方法について解説します。2つのバックアップ方法をメリットとデメリットとともにご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。
– 目次 –
1.写真データの正しいバックアップ方法とは?
大事な写真データを確実に守るには、正しいバックアップ方法を知っておきましょう。まずは下記2点を押さえるのが基本です。
- 常に2つ以上の媒体で保存する
- すぐにデータを読み出せる方法で保存する
バックアップ1つでは、記録媒体の故障やウイルス感染、操作ミスなどで簡単にデータが消えてしまいます。外付けハードディスクドライブ(HDD)とブルーレイドライブ(BD)を併用するなど、複数の媒体で予備バックアップを用意することが大切です。
また、トラブルがあったとき、すぐにデータをPCに戻せるかどうかも重要です。複数のメディアにバラバラに保存していると復元に時間がかかり、その間バックアップがない状態になってしまいます。もし、その間に保存している媒体に何かあれば、そのデータはもう戻りません。
バックアップ媒体を選ぶときは、スピーディーにデータを読み出せるデータ容量や機器の安全性も考慮しましょう。次章から、おすすめのバックアップ方法「クラウドストレージ」と「記録メディア」について詳しく解説していきます。
※パイオニア調べ
2.【写真データのバックアップ方法1】クラウドストレージ
クラウドストレージは、少量の写真データのバックアップにおすすめの方法です。年間の撮影データが数十GB程度の方に向いています。バックアップ方法とメリット・デメリットをみていきましょう。
クラウドストレージで写真データをバックアップする方法
GoogleフォトやDropboxなどクラウドストレージの同期用ソフトをPCにインストールし、画面上のフォルダにデータを入れます。自動アップロードの設定をすると、同期用フォルダにデータを移すだけでオンライン上にバックアップをとってくれます。
ただし、インターネットに接続していることが前提なので、バックアップ作業をする際はネット環境を事前に確認しましょう。
クラウドストレージで写真データをバックアップするメリット
クラウドストレージによるバックアップには、このようなメリットがあります。
- いつでもどこでもアクセスできる
- 自動的にバックアップが取れる
- 保管や買い替えの必要がない
- 容量を気にしなくていい
写真データがインターネット上に保管されていれば、保存媒体の買い替える必要がなく、どこからでもアクセスして写真を呼び出せます。
また複数の端末で共有可能なため、スマホで撮影した写真も自動でアップロードできる、データ移行をしなくていいなど、利便性が高いでしょう。さらに、10GB程度まで無料など比較的大きな容量を手軽に利用できるサービスも多いのもポイントです。
クラウドストレージで写真データをバックアップするデメリット
手軽さや利便性が高いクラウドストレージですが、以下のようなデメリットがあります。
- オフラインで使用できない
- 半永久的に費用がかかる
- サービスが終了する可能性がある
- セキュリティ面に不安がある
オフラインでは使用できないため、自然の多い場所や郊外での撮影が多い方は不便に感じるかもしれません。
また、プロの撮影データを大量に保存できる大容量のストレージは有料が多く、利用し続ける限り費用がかかります。クラウドストレージのサービスが終了するケースもあるので、データが多いと回収に手間取るかもしれません。
さらに、ネットワーク上に保管することから、不正アクセスによる流出などセキュリティ面での不安も否めません。これらのデメリットやリスクを理解したうえで、利用するようにしましょう。
3.【写真データのバックアップ方法2】記録メディア
写真を頻繁に撮る、RAWなどの大容量データを扱っているという方は、外付けHDDやソリッドステートドライブ(SSD)、BDなどの記録メディアでのバックアップが向いています。バックアップする方法と知っておくべきメリットとデメリットをみてみましょう。
記録メディアで写真データをバックアップする方法
BD・DVDやHDD、SSD、USBメモリなど保存したい記録媒体をPCに繋ぎ、写真データを対象ドライブへドラッグアンドドロップします。フォルダ内には時系列やテーマ別のフォルダを作り、細かく分類しておくと後で確認しやすくなります。
記録メディアで写真データをバックアップするメリット
記録メディアにバックアップすると以下のようなメリットがあります。
- データの安全性が高い
- ネット環境が必要ない
- 自分に合った容量を選べる
- データの出し入れが早い
- カスタマイズ性が高い
オフラインでのバックアップなので、インターネット環境に左右されずに写真データの保存ができます。データが外部にもれる心配が少ないのも記録メディアの利点です。
1枚のメディアに保存できるデータ容量が大きく、大量の写真データを1カ所にまとめることも可能です。データの量や予算に合わせて記録媒体を選べて、イベントごとにバックアップを分けられるなどカスタマイズ性も高いでしょう。
記録メディアで写真データをバックアップするデメリット
メリットの多い記録メディアにも、もちろんデメリットが存在します。記録メディアの弱点は以下の通りです。
- PCなどに接続する必要がある
- 定期的に買い替えが必要
- 保存や扱いに注意が必要
PCとデバイスをつないで写真データを記録する方法に手間や難しさを感じる方も少なくありません。またHDDやSSDは大容量を保存できる一方で、本体に記録するため衝撃や振動による破損、保存寿命の限界などによって、保存期間が長くなるほどデータ消失リスクは高くなります。
そのため、定期的に予備バックアップの準備や記録メディアの買い替え・データの移し替えを行う必要があり、その都度費用がかかります。
4.ブルーレイディスクなら写真データの長期保存が可能!
記録メディアによるバックアップなら、BDがおすすめです。BDは数十年~100年程度の保存寿命があり、買い替えなく長期のデータ保存が可能です。
また、バックアップは2カ所以上での保存が基本ですが、HDDやSSDを使用して二重にバックアップを取る場合、高額なHDDもしくはSSDをもう1つ用意するため費用がかさみます。
しかし、ブルーレイディスクの場合、1つのブルーレイドライブを使い2枚のディスクにデータを書き込めば予備バックアップが取れます。ディスクを追加するだけで済み、1枚あたりの容量も大きいのでコスト削減にもつながるでしょう。
5.まとめ
写真データの正しいバックアップ方法は、2つ以上の媒体に保存すること、すぐに読み出せる方法を選ぶことです。少量のバックアップならクラウドストレージ、大容量なら記録メディアがおすすめです。
ネットワーク上に保存するクラウドストレージは、PCにソフトをインストールするだけで利用でき、複数媒体と共有できるため非常に手軽です。ただし、オフラインでは使用できない、セキュリティに不安がある、大容量では有料になるなどのデメリットがあります。
大容量の写真データを安全に保管するなら、ネットを利用せずデータの出し入れが早いHDD、SSD、BDなどがおすすめです。特にBDは故障や上書きなどのデータ消失リスクが少なく保存寿命も長く、二重のバックアップを作成する場合もディスクのみの購入で済むため、コスト面のメリットも大きいでしょう。
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