Apple Music(アップル ミュージック)は、Apple社が提供するサブスク型の楽曲ストリーミングサービスです。毎月一定額で7,500万曲以上が聴き放題なので、音楽好きのユーザーは利用している方も多いのではないでしょうか?
そんなApple Musicですが、2021年6月からロスレスオーディオとハイレゾロスレスオーディオの配信を追加料金なしで開始しました。
しかし、標準のAACファイルとロスレス、ハイレゾロスレスといった、それぞれのオーディオ品質はいったい何が違うのか?また、ハイレゾロスレスを聴くにはどうしたらよいのか、やり方が分からない人も多いようです。
そこでこの記事では、それぞれのオーディオ品質の違いと、ハイレゾロスレスオーディオを聴く方法、さらにハイレゾロスレスを100%楽しむ方法などについて解説します。
– 目次 –
1.Apple Musicのロスレスオーディオとは?
Apple Musicのロスレスオーディオとはそもそもどのようなものなのでしょうか、従来の標準のAACファイルふくめて説明します。
標準のAACファイル
AACはAdvanced Audio Codingの略で、非可逆圧縮方式の音源フォーマットのひとつです。非可逆圧縮形式は、データの大きさを効率よく圧縮できる反面、その過程でデータの一部を失ったり書き換えたりする圧縮方式のため、圧縮前の元データと100%同じデータにはならず、楽曲の場合は音質が劣化してしまいます。
圧縮後のデータが小さいので、ストリーミングサービスなど通信速度が求められる場合などに適しています。そのため、Apple MusicやSpotifyなど多くのストリーミングサービスはAACやMP3などの非可逆圧縮方式の音源を標準の音源として採用しています。
ロスレスオーディオ
ロスレスオーディオは非可逆圧縮方式と異なり、音源を圧縮しないか、もしくはFLACやALACフォーマットのような可逆圧縮方式によって圧縮された音源になります。AACなどの非可逆圧縮方式の音源と異なり、データの欠落や改変がないため、もともとの音源の音質で楽しむことができます。その分、データ量は多くなるため、ストリーミングサービスでのデータ通信量も増えますのでユーザーによっては通信料金に注意する必要があります。
ハイレゾロスレス
ロスレスオーディオは非可逆圧縮方式と異なり、音源を圧縮しないか、もしくはFLACやALACフォーマットのような可逆圧縮方式によって圧縮された音源になります。AACなどの非可逆圧縮方式の音源と異なり、データの欠落や改変がないため、もともとの音源の音質で楽しむことができます。その分、データ量は多くなるため、ストリーミングサービスでのデータ通信量も増えますのでユーザーによっては通信料金に注意する必要があります。
ロスレスオーディオの中で、より高音質な音源をApple Musicではハイレゾロスレスとして区別しています。具体的にはサンプリングレートが48kHzまでの音源を「ロスレス」、48kHzから192kHzの音源を「ハイレゾロスレス」と呼んでいます。
サンプリングレートとは音源をデジタル化する際に、どのくらいの頻度でデータ化するかの指標となります。アニメのコマ数をイメージしていただくと理解しやすいかもしれません。コマ数が多くなるほどアニメの動きは滑らかで自然に見えます。コマ数が少ないとアニメはかくかくと動き不自然に見えます。同じように音源もサンプリングレートが大きくなるほど、より緻密で精細でリアルな音に聴こえます。
音楽CDのサンプリングレートは44.1kHzなので、「ロスレス」は音楽CDなみの音質、「ハイレゾロスレス」は音楽CDの2~4倍のデータ量の音質となります。
またサンプリングレートが高くなると再現できる音の帯域も高くなります。音楽CDでは20kHzまでしか収録されていませんが、96kHzのハイレゾロスレスでは48kHzまで、192kHzでは96kHzまでの帯域の音まで再現可能です。
2.iPhoneでハイレゾロスレスを聴くまでの手順
それではiPhoneを使い、Apple Musicでハイレゾロスレスを再生するまでの手順を紹介します
①.iPhoneのiOSバージョンを確認する
Apple Musicのロスレスオーディオを楽しむには、iOS 14.6以降のOSが必要となります。設定アプリを開き、「一般」>「情報」>「システムバージョン」の欄を確認します。こちらが14.6以降になっていればOKです。旧バージョンの場合は「一般」>「ソフトウェア・アップデート」から最新のiOSにアップデートしましょう。端末によってはiOS 14.6以降にアップデートできない端末もあるため事前に確認しておきましょう。
②.Apple Musicを利用する
Apple Musicを利用するにはApple Musicへの登録が必要です。設定アプリを開き、「ミュージック」>「Apple Musicを表示」がオフになっていたらオンにします。次にその下の「Apple Musicに登録」から必要事項を入力してApple Musicに登録します。Apple Musicに登録すると初回は3か月無料で利用できます(2021年6月時点)。
③.オーディオの品質を変更する
Apple Musicに登録したら、再び設定アプリを開き、「ミュージック」>「オーディオの品質」でロスレスオーディオをオンにしてください。モバイル通信ストリーミングかWi-Fiストリーミングかによって、ロスレスにするかハイレゾロスレスにするかを選べます。ハイレゾロスレスはデータサイズが大きいため、モバイル通信ストリーミングではロスレスか高音質(AAC 256kbps)を、Wi-Fiストリーミングではハイレゾロスレスを選択することをおすすめします。
④.Apple Musicアプリでハイレゾロスレスの楽曲を再生する
設定が完了したらあとはApple Musicアプリでハイレゾロスレスの楽曲を再生するだけです。ただし先ほどの設定でWi-Fiストリーミングのみハイレゾロスレスを選択した場合は、Wi-Fi経由でインターネットに接続しておく必要があります。 2021年7月時点では宇多田ヒカルさんの楽曲で96kHz/24bitのハイレゾロスレスの楽曲が配信されていました。192kHz/24bitの楽曲ですと、イーグルスのHotel Californiaが配信されています。まだまだハイレゾロスレスに対応している楽曲を多くないですが、探してみてはいかがでしょうか?
3.ハイレゾロスレスオーディオを聴くために必要なもの
ハイレゾロスレスオーディオを聴くだけなら、とくに特別な機器は必要ありません。iPhoneのスピーカーでも音は聴けますし、AirPodsなどのBluetoothイヤホンをiPhoneに接続して聴いても標準のAACファイルの音源との違いがわかる人も少なくないかもしれません。 ただし、ハイレゾロスレスオーディオを100%楽しむためには、Apple公式サイトでもアナウンスされている通り、USB DAコンバータ(DAC)などの外部装置が必要になります。
4.ハイレゾロスレスオーディオを100%楽しむために必要なもの
せっかくハイレゾロスレスオーディオを聴くならその音質を100%楽しみたいですよね。ここでは、100%楽しむために必要なものを紹介します。
ハイレゾ対応USB DAコンバータ(DAC)
まず必要なのが、さきほども少し紹介したUSB DACです。DAコンバータ(DAC)とは、デジタルの音声信号をアナログの音声信号に変換する機器です。そもそも音を出すにはイヤホンやスピーカーにアナログの音声信号を入力する必要があります。CDや配信されているAACファイル、ハイレゾ音源はどれもデジタル信号ですので、DACでアナログ信号に変換する必要があります。
実は、iPhoneにもDACが内蔵されているのでスピーカーから音を出すことができます。また、Lightningコネクタからはデジタル信号が出力されますが、「Lightning – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ」を接続することでアダプタ内のDACによってアナログ信号に変換することができます。ただし、iPhoneや「Lightning – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ」のDACは48kHzのサンプリングレートにしか対応していません。この場合は96kHzのハイレゾロスレスも192kHzのハイレゾロスレスも48kHzにダウンサンプリングされてアナログ変換されてしまいます。それではせっかくのハイレゾロスレスの大量な音楽データを十分に生かすことができません。
そこで、ハイレゾ音源に対応したUSB DACが必要となるのです。ハイレゾロスレスは192kHzまでの音源が配信されていますので、192kHzまで対応したUSB DACを用意するのがおすすめです。
Lightning – USBカメラアダプタ
USB DACとiPhoneを接続するには、「Lightning – USBカメラアダプタ」が必要になります。このアダプタのUSB Aコネクタに、USB DACに接続したUSB Aケーブルを接続します。 値段は上がりますが、「Lightning – USB 3カメラアダプタ」にするとiPhoneを充電しながら使用することができるので長時間聴く人にはおすすめです。
ハイレゾ対応アンプ
USB DACはデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換しますが、イヤホンやスピーカーから音を出すには、入力されたアナログ信号をアンプで増幅する必要があります。アンプが対応している周波数特性が十分でないとハイレゾロスレスの音質を100%生かせません。
前述のとおり、CDは20kHzまでに周波数帯域の音しか収録されていませんが、ハイレゾロスレスでは20kHzを超える周波数帯域が収録されています。とはいえ、人間の耳で感じることのできないほどの周波数帯域までは不要なので、40kHz以上の周波数帯域に対応しているアンプがハイレゾ対応アンプとされています。
USB DACとアンプが一体になったUSB DACアンプもありますので、手軽に導入したい方はハイレゾ対応のUSB DACアンプがおすすめです。
ハイレゾ対応ヘッドホン/スピーカー
最後に音を直接出す、ヘッドホン(イヤホン)やスピーカーをアンプに接続します。これらもハイレゾロスレスの音を100%楽しむには40kHz以上の再生周波数帯域に対応したハイレゾ対応のヘッドホン(イヤホン)やスピーカーが必要になります。
USB DACやアンプ、ヘッドホンやスピーカーなどハイレゾに対応した製品にはハイレゾロゴがついていますので、購入する際はハイレゾロゴがあるかどうかを確認することをおすすめします。
ところでAirPodsなどのBluetoothイヤホンはハイレゾに対応しているのでしょうか?残念ながらBluetoothイヤホンはハイレゾ対応ではありません。
これは再生周波数帯域が40kHz以上となっていないからではなく、Bluetoothで接続しているからです。Bluetoothによって音楽をワイヤレズ伝送するときには実はデジタル音声信号を圧縮して伝送します。その圧縮方式がAACファイルと同じように非可逆圧縮方式で圧縮されているため、データの一部が失われ音質が劣化してしまいます。そのためハイレゾロスレスを100%楽しむには有線接続のヘッドホンやイヤホンで聴きましょう。
5. StellanovaのUSB DACアンプなら簡単、安心、高音質
ハイレゾロスレスを100%楽しむにはハイレゾ対応しているかどうかに注意していろいろな機器を準備する必要があります。知識的にも価格的にも手間的にもちょっと敷居が高いという方も少なくないかもしれません。そんな方におすすめなのが、StellanovaのUSB DACアンプ(APS-DA101Jシリーズ)です。
192kHzまでのハイレゾロスレスに対応しており、小型でお値段も手ごろです。ハイレゾに対応したUSB入力以外にBluetooth入力や光入力、アナログ入力も搭載しているため、1台でApple Musicだけでなく、TVやパソコン、ゲーム機などさまざまな音楽を楽しむことができます。
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6. まとめ
iPhoneでApple Musicのハイレゾロスレスを聴くには、設定アプリで通信状況に合わせた設定をする必要があります。さらにハイレゾロスレスを100%楽しむには、ハイレゾ対応したDAC、アンプ、ヘッドホンやスピーカーが必要になります。
StellanovaのUSB DACアンプであれば手軽にハイレゾロスレスを100%の音質で楽しむことができるので、初心者の方にもおすすめです。
StellanovaのUSB DACアンプの詳しい説明はこちらから確認できます。 https://www.pioneer-itstore.jp/fs/piit/c/gr3
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